your force your heart - 3



































町中を歩いていたのは、三人の少女達だった。
三人とも特徴的な顔立ちと姿であったので、密かに学校内でも有名であったことは知らないであろうが。


黒髪の硬質な長髪に淡い水色のような瞳を持った少女が"クリスタル"。
皆彼女のことは"クリス"と呼んでいる。
隣にいる、少し小柄な金髪よりも明るい黄色の髪を持つ少女は"イエロー"。
しかし片親が日系だからなのか瞳は漆黒の色を持っていた、不思議な少女だった。
そしてもう一人、明るい茶――亜麻色と称した方がいいのだろうか――の髪を上部で束ねた少女の名は、"サファイア"。
その名に相応しいような藍い瞳を持った活発な少女であった。


大通りを通り抜け、車がやっとすれ違えるかどうかという幅の細道が交差して入り組んだ所。
丁度三人のそれぞれの家へ続く道の分岐点に差し掛かった。
いつものように雑談に花を咲かせながら歩いてきた三人は、それぞれ別れの言葉をかけた。

「それじゃあまた明日ね、サファイア。」
「うん、また明日ったい。」
「……。」
「…どうしたったい?イエローさん?」

イエローと呼ばれた黄色い少女は、何故か声を掛けた少女、サファイアをじっと見つめていた。
その顔には不安な色が見える。
何があったのだろうかと小首をかしげて、亜麻色の少女は見つめ返した。

「いえ…、気をつけて帰ってくださいね。」
「…?うん、分かったったい。」

何か引っかかるような言い方だったが、それはいつも注意力散漫な自分を心配してくれたことだろうと思い、 ありがたく受け取って置くことにした。
いつものように笑顔で別れる。

「じゃあね、クリスさん、イエローさん。」
「またね、サファイア。」
「ではまた明日。」

亜麻色の少女はたたたっと駆け足気味に去っていった。
その足取りは軽く、いつもどおりの光景だった。
もう一つ向こうの筋まで一緒であった残りの二人はゆっくりと歩き出した。

「イエローさん。さっきの言葉、どういう意味だったの?」
「いえ…ちょっと気になっただけですから。」
「…?」

漆黒の少女が隣の少女に声を掛けるが、返答は曖昧だった。
イエローは後方をちらりと振り返り、生垣の彼方に消えていった少女を思う。
自分の予感がよく当たることは、最近自覚したばかりだ。
だから確かな言葉をかけられなかった。

「ちょっと…嫌な予感が、しただけです。」
「…嫌な予感?…あぁ、イエローさんの直感とかってよく当たりますしね。」

何となく彼女の言い方にいつもと違う物を感じた少女も、同じように後方を振り返った。

本当に、何事もなければよいのだが。
だが、時は無常にも残酷なものを一人の少女に突きつけようとしていた。



今にも踊りだしそうな足取りで、少女は歩いていく。
その足は、とある一軒屋の前で止まった。
表札には"苧環(おだまき)"と書かれている、少女の家だった。
ポケットの中にしまってあった鍵で、扉を開ける。

「ただいま〜。…父ちゃん?」

この時間ならかなりの頻度で家にいるはずの父親の姿が見当たらず、 玄関で靴も脱がずにきょろきょろと辺りを見渡し、そして思い出した。

「そっか、今日は帰るん遅かったんやっけ。」

確か先週そんな話をしていた。
昨日も言われた気がするが、生憎その時は既に意識の半分は落ちていたのでよく憶えていない。
規則正しい生活をしている少女は、夜中が近づくと、こてんと眠ってしまうのだ。
そんなことを思い出しながら、少女は靴を脱ぎ捨てて階段を駆け上がり、"自分の部屋"へと向かう。

「じゃあ、今日は一人でのんびりでき…」

そういいながら扉を開けようとした時だった。
目の前に異様な影が現れたことに、少女は気が付いたのだった。


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書いてないので補足しておきますが、サファとクリスは同い年、イエローは一つ年上という設定です
小さい頃からの知り合いという設定
問題はこの話、彼女達が中学生なのか高校生なのかという根本的な設定がないのです(おい)
…僕どっちのつもりで漫画の下書き描いたのでしょうかねぇ…?
描いてる本人がこれですから世話ないですが(汗)
靴がローファーっぽいので、勝手に高校生だと思っておきますけど、皆様はどう思います?
(聞くなよ)