幾ら四肢に力を込めようとも、彼の少年の言葉通り然したる動きを生み出さない。
逆に力を込めれば込めるほど全身が瞬く間に硬直していくような感覚さえ覚える。
反発し合う力が生み出すその大いなる力が体中に及んでいるのを感じながら、
少女は自身が感じている恐怖心が更にそれを煽り立てていることも感じていた。
思うように動けず困惑している自分をじっと見つめているその紅い瞳を、震える視線でただ見つめ返すしかなかった。
視線すら逸らせないほど、縛り付けている力が大きい事を悟るほかない。
少女が絶望に打ちひしがれている様をまじまじと見つめ切った後、少年は極上の笑みを浮かべてその一歩を踏み出した。
飛行能力を有している彼の一歩、それはすなわち一瞬で少女の元に近づいたということだ。
耳元で囁かれたその声に、少女は身を竦ませる。
「さて、からかうのも飽きちゃったし、そろそろ貰っちゃおうかな。キミの
精力。」
「ちっ…ちから??」
「そう、ボクが更なる力を手に入れる為に…ね。」
そう少年が言い放った瞬間、サファイアの視界がグラリと揺れた。
自分の意思で動かす事が出来ない身体が、少年の手によって動かされたからだ。
鈍った感覚が後方に突かれた事を悟った時には、既に背筋に痛みが走っていた。
「あっ……きゃあっ!」
受身を取れずに肩から床に直撃し、局所的に激痛が走る。
幸い頭を打たなかったのは、彼が肩から落ちるように突き放したからだろう。
痛みに顔を歪め、抑える事が出来ずに広がっていく痛みに歯を食いしばる。
やっとの事で薄く目を開けてみると、自分が天井を見上げており、その間に少年が口元を歪めて見下ろしていた。
そこで自分が少年に四肢を組み敷かれている事を知った。
少年の背中でふわりと広がった黒い翼は、自分の置かれた状況を更に悲痛なものに感じさせる演出を助長していた。
既に押さえつけられた手首に人間らしい感覚はなく、寧ろ肉体と精神が繋がっていないように思えるほどに、
少女は自分の身に降りかかってる現実を認識できずにいた。
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良く見たら1コマ目から当初の予定と絵が若干違うww
おかしいな、牙が首筋(肩筋?)に当たっているはずだったんだけど^^;
多分アレですね、紙面上のラフ画(?)から絵板に下書きを起こした後、清書の段階でラフ画を見なかったからだwww
…つまり下書きが実は一番雑だっていうことですね、うふふふふそれがリオクオリティ(意味分からん)
そのせいでSS付けようとラフ画を引っ張り出した時に床が書いてなくて3コマ目が謎のコマになってた事に気付きました(苦笑)