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元気になったマリルはルリリを連れて去っていった。
精一杯お礼として可愛らしい鳴き声と水しぶきを上げて。 元々野生ポケモンは人とは相容れないものだ。 別れは至極単純な事だった。 残された二人はどちらともなく視線を互いに交わす。 半ば確信に満ちた思考は尚巡り続ける。 もしかして…いや、もしかしなくてもそうなのかもしれない。 だって、あまりにもあの面影が強すぎるんだから。 「「ねぇ…?ちゃもちゃん(ZUZUくん)。」」 change-5相も変わらず、森の中は草木が一層生い茂っていた。 人間の身体からすればまぁまぁといった大きさなのだろうが、生憎"彼等"は今ポケモンの中でもかなり小柄である姿。 常日頃から森の中を縦横無尽に駆けずり回っていた"彼女"はともかく、都会っ子丸出しの"彼"からすれば、 この険しい道のりはかなり厳しい物だった。 「ちゃも!!ちゃもちゃも!!ちゃもちゃもちゃ〜も!!」 (こらあんた!!何しとるとね!!さっさとキビキビ走るったいよ!!) 「ズッ…ズズズズッズズ〜、ズ〜ズズズズッズズッズ〜ズズズズ〜ズズズ〜ズッ…」 (そっ…そんな事言ったって、この身体でそんな事しろっていわれても無理だって…) 二本足で走ることが出来る彼女ならともかく、この四つん這いでどうやって走れって言うんだよ。 寧ろそれはキミの得意分野だろ? そんな風に"彼女"に言ってやろうと思っても、既に呼吸がついていけてない"彼"にはただ必死に脚を動かすことしか出来なかった。 そんな"彼"を余所に、アチャモの姿をした少女はどんどん加速していく。 そしてついに、湖の側の開けた畔に辿り着いた。 『何処…何処にいるとよ?ちゃも…』 低く狭い視野を必死にあちらこちらに向け、"自分"の姿を探す。 そして少女を"彼女"が見つけるのと、"少年"が"少女"の元に辿り着いたのは正に同時であった。 必死に息を紡ぎ、傍らにいる"少女"の表情を確認する。 「…ズッ、ズ〜ズズズ?…ズゥ、ズゥ…ッ」 (…どっ、どうしたのさ?…っはぁ、はぁ…っ) 声を掛けた。 掛けたはずなのに、"少女"は一向に動きを見せない。 いや、固まっているという方が正しいだろうか。 肉体がアチャモになっているとはいえ、今の"彼女"の顔は間違いなく驚愕に満ちている。 一体何が… "少年"が"少女"の視線の先に目を向けた、正にその時だった。 ルビーは驚きの為に全身の動きを封じられたような錯覚に陥る羽目になる。 「そっか…やっぱり私達だけじゃなかったのね。」 岸辺に広がる緑色の絨毯の上に、"二人"は腰掛けていた。 体育座りをしていた少女は、自らの組まれた腕に顔を埋めて呟く。 少年はそんな彼女の様子を横目で確認しながら、両足を地に投げ出すような形で腰を落ち着けていた。 きっと心配しているのだろう。 自分達と入れ変わってしまった"主"の事を。 彼女はそういう性格の持ち主だ。 「どうしよう…私達はともかく、サファイアちゃん達が可愛そうだわ。」 人間がポケモンになってしまうなんて本当に大変だもの。 少女は更にその瞳を細め、深く顔を埋めてしまった。 彼らには自らが望む目標がそれぞれあったのだ。 このままでは、何もかもが成し遂げられないまま終わってしまう。 悲しみに暮れる少女を、少年は必死に慰める。 「ちゃもちゃんは何にも悪くないよ!…ううん、誰も悪くなんてない。」 何がどうなってこうなっているなんて、誰にも分からない。 だけど、これだけは言える。 「…だから、ね?そんなに落ち込まないでよ。」 「でも……このままじゃ…っ!」 「大丈夫だよ。絶対、何とかなるよ。」 だから、元気出して? 少年は少女の肩に手を伸ばし、懸命に呼びかける。 視線を向けた先にある表情 心の内にあった不安の闇が、少しずつ、途切れていく。 「本当に、何とかなるのかな…?」 「なるよ。そう信じていれば、絶対。」 どうしてそんなに簡単に信じられるのかな…? そっか、ZUZUくんはそういう性格なんだっけ。 だから私はいつも辛くなった時、こうして励ましてもらってたんだよね。 「いつか、話したよね?心から願って、その為に努力すれば…」 「どんな願いも絶対、叶えられる…でしょ?覚えてるわよ?」 あのおまじない 少女は"あの日"を思い出し、顔を俄かに綻ばせた。 いつもいつも引っ張っていったのは私だけど、ここぞという時に支えてくれたのは間違いなく彼だった。 視線を向けた先に居た彼は、少女の瞳を確認するとニコリと微笑んだ。 あぁ、この笑顔にどれだけ救われてきたんだろう。 自然と、互いの距離が近くなる。 「「ボク(あたし)の身体で何してるんだー!!!(何しとるとねー!!)」」 「「るっ…ルビー君?!!(さっ…サファイアちゃん?!!)」」 寄り添っていた"二人"の下へ、"二匹"が目にも留まらぬ速さで突っ込んできた。 ど派手な衝突音を奏でて、双方はその場に崩れ去った。 …つづく? back... next... close
あっはっはwwもうこれで僕のしたかったことが分かりましたよね
ルビーとサファイアの身体でZUZUとちゃもにイチャイチャして欲しかっただけです!(きっぱり) ちょっと流れの関係と僕の文才のせいで、かなり読者の想像で補ってもらわないといけませんけど(苦笑) …でも一番問題なのは、次でちゃんこの話が終われるのかってことです(汗) |