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その日いつもと変わらない朝だったはずだった。
日差しは柔らかで暖かく、開いていた窓からは心地よい、瑞々しい風がそよそよと吹き込んでいて。
遠くから聞こえる鳥の泣き声も朝の定番であって。
それに昨日だっていつものように一日は日常の一部として何事も起こらずに過ぎ去っていた。
だからそれが起こったとき、ボクはどうしようもなく慌てふためいてしまって、 そしてどうしたらよいか分からずに呆然とする事しか出来なかったんだ。


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その日は朝から快晴で、穏やかな風量が流れていた。
日の昇り具合からしてそろそろ起床をしなければと思っていた。
思っていたのだが、どうしてかいつものようにすんなりと身体を起こす事が出来なかった。
というより、いつもと勝手が違っていたのだ。

いつもならのん気な性格のクセにボクよりも早起きだった彼が顔中にほお擦りをして起こしてくれるはずだったのに、 どういうわけか今日は静かだった。
いや、静か過ぎた。
何かがいつもと違うのだ。
何だ?さっきから感じるこの違和感は。
覚醒しきらない頭を無理矢理におこして、ボクはその重い瞼を開いた。


視界がぼやける。
それは当たり前だ。今の今まで寝ていたのだから、眼鏡もコンタクトもしていない。
ボクの視力はそうとう悪いらしく、何もつけていないと本当に物がはっきりと見えないのだ。
そう、そこまではよかった。
その次の瞬間、ボクは目の前に起こっていることに困惑し、しばらく呆然としていた。

物がはっきりと見える。

常日頃決して見えないものがはっきりと見えているのだ。
昨日泊まったホテルはベッドとバスルームが備え付けてあるだけの質素な部屋だった。
ベッドのすぐ側にある鏡台に映る自分の顔ですらぼやけていたはずなのに、 扉の近くの壁にかけてある時計の針がはっきりと見えるのだ。


why?どうしてだ?
ボクほどの悪い視力だったら、そんな短期間で回復するはずがないじゃないか。
…そもそも、どうしてあの時計が何時の間にあんな高いところに移動しているんだ?


昨日このベッドから時計の位置を確認した時、確か斜め20度上かそこらだったはずだ。
なのに身体を起こしているにもかかわらず、今あの時計はルビーの斜め45度以上上に架けられているのだ。
おかしい、たった一晩で視力が回復し、部屋の物品の配置が変わるはずが無い。
そもそも自分は他人の気配には敏感な方なので、誰かが入ってきたら必ず目を覚ましていたはずだ。

その時だ。
ボクの背後で何かがもぞりと動くのを、頭のヒレで感じた。
その気配は、ゆっくりと身体を動かしているようだ。
ん?頭のヒレで感じた?
その奇妙な違和感に気付き、僕は自分の姿を見下ろした。


視界に入ってきたのは、青色の短い手足。
その下には、自分が下敷きにしている真っ白なシーツのみだった。
昨日の晩に着ていたパジャマがあるないの問題ではなかった。

こっこれは、ZUZUの手足…っ!!

間違いない、いつも彼とともに旅をしているのだ、見間違うはずがない。
だがそれが今自分の思うように動くようになっているのだ。

そう、この身体はZUZUのものだ。

「ふぁ〜寝過ごしちゃった…ごめんね、ルビー君。ってあれ?どこにいるの?ルビーく……」

背後から聞こえた、聞きなれたようで何処となく違うように聞こえる声。
恐る恐る振り返ってみると、そこには目を見開いて呆然としている"ボク"の姿があった。

「…うぇえええっ?!どうしてぼくが目の前にいるのぉ!?」

目の前にいた"ボク"は素っ頓狂な声をあげてボクを凝視した。
ボクは今目の前に起こっている事実をどう受け入れるべきなのか模索するのだが、どうする事も出来なかった。
"ボク"はそんなボクの様子を見て、恐る恐る尋ねてきた。

「……もしかして、もしかしなくてもルビー君かい?」

"ボク"は恐る恐るその腕を伸ばし、ボクの頬に触れてきた。


ああそうさ、そうだとも。
確かにボクは間違いなくルビーだ。
このホウエン地方のコンテストの覇者になるべく男だったのに… くそっ…一体何がどうなってるんだ?



どうしてボクらの身体が入れ替わってるんだよ?!!



…つづく?




next...



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本当突発的に思いついたお話
完結するのかすら危ういですが、多分何とかなるでしょう(おい)

このお話は12/21付けで一言メルお礼小説としてupしていました